戦争の裏
2022年3月20日のロイターの記事によると、
「ロシア正教会のキリル総主教が、ロシアによるウクライナ侵攻に高らかな祝福を与えた」、とされている。
驚いた、なぜなら東方正教会は、あまり馴染みがないがキリスト教の一つである。
キリスト教が残忍なこの戦争を祝福するなんて。
少し調べてみた。
西方教会が馴染みのあるカトリック、プロテスタントなどで、東方正教会はギリシャ正教会、ロシア正教会、ウクライナ正教会などがある。
2018年10月、ロシア正教会からウクライナ正教会が独立した。
ウクライナ正教会は、ソ連崩壊後に設立されて以来、これまで正式な承認を得られずにいたが、今回の主教会議において、ウクライナ正教会キエフ総主教庁の正統性が正式に認められた。モスクワ総主教庁が抱える1億3600万人の信徒の4分の1はウクライナ人が占め、また1万8000カ所ある教会区の3分の1はウクライナにある。ウクライナ正教会の分離は、1000年におよぶ正教会の歴史上「最悪の危機」になると見られている。
今回の戦争の裏にはこんな宗教対立があったのだ。
プーチンは政治的にウクライナを元の管轄下に置きたい、ロシア正教会のキリル総主教はウクライナ正教会を元の管轄下に置きたい。この2人はお互いに認め合っているのだろう。
ここまで知ると、「ロシア正教会のキリル総主教が、ロシアによるウクライナ侵攻に高らかな祝福を与えた」理由は理解できたが、これが本当に宗教家の発言か、いや宗教組織の政治家の発言だろう。